英語ではアンティークとも呼ばれ、一般的に金銭的な価値のある絵画や磁器などの美術品が骨董品と呼ばれています。ですが、興味のない人にとってはそれほど価値があるものと判断することができないことも多く、「古いだけ」「価値がない」とされて処分されてしまうことも少なくありません。そこで価値ある骨董品を正しく取引するために、知っておきたい骨董品の定義や売却する際に注意したいことを詳しくご紹介します。

骨董品の定義は?

骨董品の定義は、「製造から100年経過した工芸品・美術品」とされているのが一般的です。これはアメリカで制定されている通商関税法やWTO(世界貿易機関)で採用されている定義です。これはアンティークと認定されたものについては、WTOの加盟国同士の貿易においては関税がかからないことになっているため、共通の定義となっています。ただ、日本では国内でやり取りする場合、それほど厳密な定義で区分はしていません。大まかには第二次世界大戦を境にした戦前・戦後で評価されています。一般的には戦前に製造されたものには希少価値があるとされています。

骨董品にはどんなものがある?

骨董品と呼ばれるものには、以下のようなものがあります。

美術品

絵や書など鑑賞のために制作されたもの、また茶器など使用する目的で作られたものなどが含まれます。

家具

テーブルや戸棚など実際に生活の場で使われていたものが含まれます。

日用雑貨

飾られていたものや、生活の場で使われていた道具などが含まれます。

装飾品

引き出しの持ち手や刀の鍔や鞘など家具や道具の装飾に使われていたものが含まれます。また宝石やアクセサリー、かんざしなども含みます。

衣類

着物や軍服など身につけるものが含まれます。

おもちゃ

子供用に販売されていたもののほか、景品で作られたもの、お菓子のおまけなども含まれます。

価値のある骨董品とは?

実はただ古いものであれば骨董品として価値があるというわけではありません。価値があるとみなされ、高額で取引されるためには以下の条件に当てはまる必要があります。

有名な作家や工房などで作られたものである

作家が作った作品や、作家が制作を行っていた工房の名前が明記されていれば価値が上がります。さらに作家の真作が希少な場合はその分価値が上がります。

希少性のあるもの

あまり生産されなかったもの、作品が少ない作家の作品、製造当時は人気がなく後年評価されたものなどは希少価値があるとみなされます。

本物であるかどうか

焼き物などの場合、形をまねて作られた贋作も多く存在します。もちろん贋作であっても希少なものは価値があることもあるため、すべてが価値がないというわけではありません。ただし真作と贋作どちらもある場合、贋作は値がつかなくなる可能性があります。

骨董品を高く売るために注意したいこと

骨董品を少しでも高く売るために、注意したいポイントを見ていきましょう。

汚れや破損がないか・付属品は揃っているか確認する

長い間しまったきりでいると、カビや汚れが付着して価値が下がってしまいます。また木箱や鑑定書などがある場合、一緒に持って行くと真作と判断される可能性もあり、価値が上がります。

取り扱いのある店で売る

骨董品買取の店によって、得意なジャンルがあります。絵画を多く買取している店に壺や皿を持って行っても買い取ってもらえなかったりします。自分が買い取ってもらいたいと考えている商品を店が取り扱っているかどうか確認しましょう。

鑑定力のある店を選ぶ

骨董品をきちんとみる鑑定力のある店を選ぶことも大切です。経験豊富で、長年骨董品を鑑定してきた信頼できる店で売るようにしましょう。